今から何年前になるだろうか。
私が小学校に上がる歳だから40年にはなるか。
そう、入学式を控えた4月1日の朝の出来事、おはようの挨拶を家族と交わし
その当時の私の日課、直腸がんで寝ている祖父の尿瓶を取替えに行った。
いつもどおり、尿瓶を替えて、「じいちゃん、おはよう」と声をかけたが返事がない。
あれっ今日はよく寝てるなあと、肩に手をやったら冷たくて硬かった。
おでこ触って、目をいっぱいに開けて天井を睨んでいる祖父の顔が目の前にあった
「うぉぉぉ、じいちゃん、死んでる~っっっ」と台所に駆け込んだ。
両親と姉の白けた顔「馬鹿っっっ嘘ついてもイイ日だけど、馬鹿なことをいうな」と姉に殴られた。

546f1b6d0f977e72007bfeb9fdfb88ea_s
もちろん、両親もまったく取り合ってくれず、さっさと食卓についてご飯食べろと。
食後しばらくして父が、祖父の寝室を覗いて、真っ青な顔で戻ってきて母に
「病院に電話だ、それと坊さんにもだ」と。
小学1年生になる歳の4月1日は、通夜・葬儀そして入学式へとなだれ込んでいった。

 

 

 

氏名:爺さん子になりきれなかった
投稿者年代:50代
性別:男性

居住:兵庫県