今は自営でやっているけど、サラリーマン時代の話。
大阪の南部の営業所に勤務していたときの話である。
ある月曜日、新規のお客様から商談の話が舞い込んできた。
「○○建築だけど、来て欲しい」との電話で、ベテラン営業マンが行くことになった。
彼は、ベテランといえども社内では、結構やんちゃで通っていた、それに今でいえば、ちゃらい男。

kumi01
営業所から電車で40分程度の場所だったから、まあ、戻りは昼過ぎかなと思っていたら
これが、なかなか帰ってこない、電話連絡もないし、ポケベル鳴らしても返事がない。
夕方5時を過ぎても帰ってこず、やがて8時過ぎになろうかと思った時間。
真っ青な顔をして、真っ赤な半被をスーツの上から羽織って、彼は戻ってきた。
その半被には「○○組」とあり、背中には観音様の絵が描かれていた。
わなわなとした表情で彼が語ったのは、○○会系列の○○組だったと。


「これは、やばいと申し訳ありませんが御社とは取引できません」といったら
「おおっっ電話では機嫌よく言うとったやないかい、なんで取引でけへんねん」と凄まれ
平身低頭あやまり続けたが許してもらえず、「だったら、ウチの宣伝してもらおうか」と
半被を着せられ、かつ営業所近くの駅まで舎弟の付き添いまでされたとのこと。
件の営業マンは、事務の女の子に「電話取るときは、ちゃんと相手の事業内容確認せいや」と
震えながら言っていた。

氏名:しんどくて楽しかった時代
投稿者年代:40代
性別:男性
居住;大阪府